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ラフ・クルー烏山保育園

竣工年月

2020年4月

場所

東京都世田谷区

 石嶋設計室在籍時に担当。
 東京都世田谷区に立つ3階建ての鉄筋コンクリート造の認可保育所。
 保育園を住宅街に計画していく上で、毎回問題になるお馴染みのテーマとして騒音対策がある。今回はこの問題を如何にしてデザイン性と園内の生活のしやすさ及び防音性を両立させながら建築へとまとめていくのかがテーマとなった。
 各階の配置構成として、1階に0,1,2歳児室、2階西側に3歳児室、一時保育室、東側に4,5歳児室、3階に調理室、保育士室、屋上園庭を配置した。これら各室を繋ぐものとして、各階中央に階段室を配置し、この階段を囲むように各室を配置する構成とした。また1〜2階ではこの階段室に隣接する位置に園庭が配置され、各保育室から直接アクセスできる配置となっている。
 騒音対策としてまず初めに考えられるのが防音フェンスであったが、防音フェンスは視線及び日照を完全を遮ってしまうこと、またその無機質な外観から、生活の快適さ及び街の景観に与える影響は不十分なものと言わざるおえない。そこでこれらの課題の解として、今回採用したのがガラスブロック(以降GB)及び階段室の壁の仕様であった。
 GB壁を1,2階の園庭の防音壁として配置。その内部が真空状態に近い中空を持つGBは音響透過損失が他の材料と比べても最も大きく、優れた遮音性能を持っている。又、光を透過・屈折・反射させる性能により視線を遮りながら、やわらかな自然光に満ちた明るい空間を与えることができるのである。
 又、階段室では園庭及び建物内に面する長手の壁をガラス壁とすることで日照を取り入れた。特に3階では、園庭に囲われ奥まった配置となった1,2階とは異なり、屋外に十分面する配置となっているので、ここで取り入れた光をガラス壁を通して下の階に降りぎ、屋内の廊下を十分明るい空間としている。
 内部のデザインでは1階の廊下の天井をR面とし、壁から天井まで羽目板とすることで木質の柔らかな空間としながら、廊下の進行方向に直線形状の照明を設置することで空間のアクティビティを高めている。
 2階4,5歳児が生活する保育室は大型遊具や発表会を考慮したスポットライトや重量用のカーテンレールを設置するなど多目的な用途に応えられる仕様としている。又、屋上の園庭の防音壁には配置上、日照も十分確保でき、街の景観に与える影響も低いと考え、通常の防音壁を採用した。

 

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