グローバル柳沢園

　石嶋設計室在籍時に担当。
　東京都西東京市に立 つ平屋の木造の認可保育所。
周辺が戸建住宅という状況を考慮し、建物を一つの大きな塊とするのではなく、小さな直方体ボリュームを散在させ、各ボリュームを回廊で繋ぎ、その内側に中庭を抱える構成とした 。
保育室は2コ1で構成。二つの保育室の間に受入室とトイレを設けた。受入室にはロッカーが配置されているので、保護者の進入は受入室までとなり、保育士内の子供達の活動が中断されることはない。またトイレが直接保育室に面していることで、保育がスムーズに行われるよう配慮した。
　建物外部においてはボリュ ームとボリュームの間に様々な場所が生じることとなった。エントランス前には保護者や近隣住民などが憩うパブリックな庭。調理室前にはプール遊びスペースと八朔がなる木を植えた。保育室と保育室の間にはウッドデッキを配置し、屋外でも子供たちが活動でき、異年齢間の交流が生じるような場とした。外観におい ては整形の直方体がランダムに配置されているだけではなく、各ボリュームに異なる方向を向いた幻配屋根を設けることで、 建物の外観に少々の複雑さと目で追う楽しみをもたらしている。
　保育室の内装には木をふんだんに取り入れた。特に天井は梁露わしとし、梁間から溢れる光が木の柔らかさを認識させている。
空調は、子どもの生活領域が低いことから、床からの熱伝導と輻射効果を得る床吹出しの冷暖房を採用した。またデシカント空調を採用することで夏の冷え過ぎや冬の乾燥を抑えた。